不動産投資は借金が怖い?失敗しない一棟物件の選び方と融資の現実
「不動産投資を始めたいけれど、多額の借金を背負うのが怖い」と悩んでいませんか。自己資金で買える手頃な物件から始めるべきか、思い切って一棟物件に挑戦すべきか、多くの人が直面する問題です。この記事では、区分マンション投資のシビアな現実と、会社員に適した一棟収益不動産の選び方について解説します。
不動産投資と借金に対する不安
「借金が怖い」という思いは、私の中にもありました。不動産投資を始めようとした当初、ファミリータイプの分譲マンションで、価格は2,000万円から3,000万円といった物件を探していました。その金額なら手元にお金があり、借金漬けにならずに自分の預貯金の範囲内で返せると思ったからです。
親からも「借金はするな」とずっと言われて育ちました。実際に親も、私が社会人になり働き始めるまで、住宅ローンやカーローンを含め借金をしたことは一度もありませんでした。車は現金で購入し、住まいもずっと賃貸という環境でした。
私が働き始めてから、親が自宅を購入することになりました。その際も、半分以上の頭金を入れ、住宅ローンの返済期間も10年という非常に短期間に設定しました。親からの教えもあり、借金をして不動産投資をするという発想は、そもそも頭にありませんでした。
自宅購入から学んだローンの考え方
私自身、初めて借り入れを行ったのは自分の自宅を購入する時です。不動産は高額なので、手元の資金だけで買えるものではありません。その際に考えたのは、家賃よりも低い金額でローンを返済できるなら、どちらにせよ支払う住居費として金額が低い方を選べば合理的だということでした。
当時の家賃より少ない金額の中に、ローンの返済、固定資産税、管理費、修繕積立金、駐車場代などがすべて収まるなら購入した方が良いと考えました。そうして自宅を購入して分かったことは、自分で返済しなければならない負債は、できる限り期間を短くし、金額も少ない方がいいということでした。
区分マンション投資のシミュレーションと現実
区分マンションを購入し、賃貸として貸し出す。金額がそこまで大きくなく、自分の給料の中から補填できる範囲内で投資をしようとすると、1,000万円から3,000万円ほどが現実的な数字でした。多くの方が同じように考える手堅い投資に見えます。
しかし、ファミリータイプも含めて区分マンションの収支シミュレーションを行った際、なかなか思うような結果にならない現実に直面しました。借入を行い、返済を含めると、年間のキャッシュフローは20万円ほどしか手元に残りません。
1,000万円を投入して借り入れまで行い、得られるキャッシュフローが年間20万円であれば、正直なところ株式投資の方がリターンが高いと言えます。レバレッジも大きくかけられず、年間20万円程度のキャッシュフローでは、あってもなくても大差ないという結論に至りました。
区分マンションへの投資は、投資金額が小さくリスクが少ないように見えますが、キャッシュフローがほとんど出ず、土地も手に入りません。表面上の数字だけでは見えない大きなリスクを抱えることになります。
一棟収益不動産への挑戦と物件選び
不動産に興味を持ち始めた10年以上前の当時は、年収400万円台、金融資産も500万円程度でした。融資が受けられる不安もあり、一棟収益不動産は自分の対象外だと思っていました。しかし、将来の相続などを考えた時に不動産投資と向き合う必要があり、リスクを把握するための勉強を始めました。
そこで、購入すべき物件は一棟収益不動産しかないと思い至り、物件を探すようになりました。楽待や健美家などを見に行けば、表面利回り9%、10%、12%といった高利回りの物件が多く掲載されています。私自身もRC(鉄筋コンクリート)マンションに住んでいた経験から、築年数に妥協して利回りを上げたRC物件が良いと考えていました。
築古高利回り物件のリスクと出口戦略
今振り返ってみると、この考え方自体に無理がありました。築30年のRCマンションを購入した場合、たとえ利回りが高くても融資期間を長く設定できません。自分が10年保有した後に売却しようとすると築40年の物件となり、次の買い手が長期ローンを組めなくなります。
次の人は自己資金を多く入れなければ購入できず、キャッシュフローも出せません。結果として、築40年の物件を売却するのは至難の業になってしまいます。一生保有するには、以下の条件が必要になります。
- 修繕リスクを把握し、主体的に不動産賃貸業の経営に携わる覚悟
- 突発的な修繕に対応できる十分な手元資金(ストック資産)
不動産投資で最も考えなければならないのは、「自分が購入して10年、20年運営した後に、次の購入者がしっかりと長期の融資を引けるかどうか」です。その重要性に気がつき、出口戦略まで見据えた耐用年数の長い物件を対象に決めました。
新築RCマンションの融資打診と失敗の教訓
築浅のRCマンションは市場にほとんどなく、希望に合う対象は必然的に新築物件に限られました。そこで地元の建設会社に相談し、約2億円の融資枠の目安を得て、条件に合う物件を紹介してもらいました。不動産屋と建設会社を介して、地元の銀行2行へ融資を打診しました。
結果として、1行目からはすぐに融資不可の回答が届き、本命のもう1行も本店決済で「融資不可」となりました。要因として考えられるのは自己資金の割合です。自己資金として4,000万円求められたところを、手元に現金を残すために2,000万円に下げたことが影響しました。
2億円の物件に対して自己資金を下げたことで、税引前のキャッシュフロー率が1%を大きく下回り、利回りにすると年間200万円程度になりました。銀行側からは、シミュレーション上のキャッシュフローが十分に確保できないと判断されたと推測しています。
RCマンションは規模が大きく、多額の自己資金を要します。自己資金を多く入れればキャッシュフローは増えますが、手元の現金が減るトレードオフの関係にあります。会社員にとってレバレッジを効かせにくく、投資効率が悪くなる側面があります。
融資不可からの気づきと方向転換
当時は落ち込みましたが、結果的に融資してもらえなかったことは良かったと感じています。地方都市で2億、3億の物件を持ってしまうと、次に売る時の買い手が限られてしまいます。購入時の競合が少ないということは、売却時に「買いたい」と思う人も少ないという事実を認識しておかなければなりません。
都心部や大阪市内、名古屋の中心部といった場所で土地比率が高い物件を購入し、長期融資を引き出して最終的に土地建物を残す戦略なら成り立ちます。しかし、当時の私の状況には適していませんでした。
会社員に適した不動産投資とは
一棟収益不動産の中にも、やるべき投資と避けるべき投資の両方が存在します。私は最終的に、新築木造アパートを選び、1棟1億円前後の物件に投資をしています。会社員にとって、自己資金を低く抑えられ、銀行融資も引き出しやすい新築木造アパートは効果的です。
| 物件種別 | 特徴と会社員への適性 |
|---|---|
| 区分マンション | 投資額は小さいが、キャッシュフローが少なく土地も残らない |
| 築古RCマンション | 利回りは高いが、次の買い手が長期ローンを組めず売却が極めて困難 |
| 新築木造アパート | 自己資金を抑えやすく融資も引き出しやすい。利回りの見極めが重要 |
ただ、新築木造アパートでも、表面利回りが5%前後で「フルローンが出る」「サブリースがある」といった物件には注意が必要です。1億円を投資して手残りが年間十数万円しかないケースも実際にあります。不動産投資のデータとして、以下の基準を持っておくことが有効です。
不動産投資における健全なキャッシュフローの目安として、1億円の投資に対して手残りで100万円から150万円程度は確保するべきです。
しっかりと立地・物件・金額・利回りを選定し、修繕リスクを考慮した収支バランスを見極める必要があります。これらを総合的に検討した上で、バランスの良い物件を購入していくことが重要です。
まとめ
区分マンション投資のリスクから、一棟収益不動産の選び方、そして新築木造アパートの有効性までを実体験に基づいて解説しました。借金への恐怖から安易に少額の投資を選ぶと、かえって手残りが少なくなり、リスクを高める現実があります。
不動産投資を成功させるには、将来の修繕リスクや次の購入者の融資環境を含めた全体像を把握することが大切です。自分にとって最適なバランスの物件選びを実践し、着実な資産形成を目指していきましょう。
