
資産1億円を目指したいと思っているのであれば、やってはいけない行動があるのではないかと思います。その「やってはいけない行動10選」をまとめましたので、紹介します。
1. 低い目標でスタートする

まずは1億円を貯めるという目標設定をすることが大事です。
「まずは100万円から」と通過点として目標にするのはいいと思いますが、100万円貯まったら次は1000万円、その次は3000万円というように、段階的に低い金額で目標を更新していくやり方は、あまり良くないのではないかと思います。
1億円を貯めるのであれば、それに適した行動が必要になりますし、強いモチベーションも不可欠です。はっきりとした動機を自分の中でしっかりと理解し、「必ず1億円貯めるんだ」という高い目標を掲げる必要があります。
普通に生活をしていたら、いつの間にか1億円貯まっていた、という状況に到達するのはなかなか難しいでしょう。
1億円貯めるという直接的な目標でもいいですし、あるいは以下のような動機でも構いません:
- 自由な生活を手に入れたい
- 経済的に自立したい
- 資産からの収入が労働収益を上回る状態にしたい
- 世界一周旅行をしたい
どのような内容でもいいので、まずは高い目標を立てること。その結果として、目標に近づくために「資産1億円」という具体的な数字が出てきて、実際に達成していく。そういった流れになるのが理想的ではないでしょうか。
2. 生活防衛資金がない

投資をするにあたって、生活防衛資金というのは絶対に必要になります。
例えば株式投資の場合、生活防衛資金がなければ、株価が下がったタイミングで生活費が必要になった際、投資資金を売却して補填しなければなりません。そうすると、損失が確定してしまいます。含み損を抱えている間は、あくまで「含み損」であって損失が確定したわけではありません。特にインデックスファンドの場合は、一時的に含み損を抱えることもあるでしょう。
しかし、長期で保有していれば、事業が収益を稼いでくれます。その収益の一部を株主である我々が受け取るという形になります。売却せずに持ち続けていれば、事業の集合体であるインデックスファンドは収益を上げ続け、その一部を配当として回し、我々がそれを受け取るという構図になります。そのタイミングが5年後なのか10年後、あるいは20年後になるかは分かりませんが、最終的に収益は必ずプラスになっていくと言えるのではないでしょうか。
このロジックがある中で、途中で売却を強いられる理由は「生活防衛資金がないこと」に集約されます。資金がなければ不安定な投資しかできず、果実という名の木が育つまで待つことができません。それは投資家にとって、最もやってはいけないことなのだと思います。
3. 収入増と生活レベル増が一緒

運用リターンを上げるよりも、もっと確実に資産が増える方法があります。それは「貯金額を増やす」ということです。
会社員として働いていれば、年々収入が上がることもあるでしょう。その上がった分の収入をどう扱うか。投資に回すのか、それとも生活費に回すのか。そこで明暗が分かれるのではないかと思います。
増えた分を生活費に回しているようでは、何年経ってもお金は貯まっていきません。当然、資産もおのずと増えていかないことになります。
一方で、収入が増加した分を、生活水準をあまり上げずに(多少上がることは仕方ないにせよ)投資に回せるとしたらどうでしょうか。
- 収入増がそのまま貯金額の増加につながる
- 投資元本が増える
- その元本が市場で複利運用され続ける
そうすることで、時間が経つごとにお金は増えていくはずです。最初は目に見える成果がないのかもしれませんが、10年後、20年後には大きな差となって表れてきます。
生活水準をある程度一定に保つということは、資産形成において必要不可欠なことなのだと思います。
4. 必要のない分散投資

投資において分散投資をすることは大原則です。ただ、「分散」という言葉を信じて他の資産運用に手を広げるのが正解かというと、そうとも限りません。
例えば、全世界株式インデックスファンドに投資をするとしましょう。投資するファンドは1本で十分です。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」など、どちらか1本を選ぶだけで、世界約40カ国、3,000社から4,000社への分散投資ができていることになります。これがいわゆる正しい分散投資です。
一方で、おすすめできない分散投資のパターンもあります。
- 同じ指数のファンドを複数持つ
先ほどの「eMAXIS Slim」と「SBI・V」の両方に同じ金額を投資するのは、別に悪くはないのですが、わざわざ分ける必要はありません。 - 多角的に資金を分散させすぎる
「分散が良いから」と、ゴールド、REIT(リート)、暗号資産、債券などにあらゆる資金を振り分けるケースです。
良い分散もあれば、悪い分散もあります。特に暗号資産、コモディティ、先物取引といったものに関しては、資産運用においてあえて組み入れる必要はないのではないかと考えます。
特に暗号資産については、趣味の範囲で持っているのであれば構いませんが、資産運用としては私は一銭も投じません。それぐらいのレベルの運用先なのかなと思っています。
5. 相場のタイミングを見計らう

「今は高いからもう少し待ってから買ったほうがいいのではないか」「今は右肩下がりでずっと下がり続けているから、底を打ってから上昇するタイミングで買ったほうがいいのではないか」と、いろいろタイミングに関しては悩むこともあるでしょう。
ただ、一つ言えることがあります。タイミングというのは一切関係ありません。とにかく株式投資であれば、市場に早く参入をして持ち続ける、それだけでいいのではないかと思います。
この「Just Keep Buying(ジャスト・キープ・バイイング)」、つまり「Buy and Hold(バイ・アンド・ホールド)」というやり方は、歴史的にも証明されていますし、論理的にも正しいやり方になります。
タイミングを見計らいたいという気持ちは分からなくもありません。大切な自分の資産ですので、損したくないという思いや、安く買って高く売り抜けたいという気持ちもあるでしょう。ただ、そういうふうに思っている人ほど、実際には資産を築けていないのではないかと思います。
株式投資において「安く買って高く売る」というのは間違いです。正しくは「買って保有する」、このやり方こそが正しい方法です。それを間違えないようにすることが、資産運用や株式投資で取るべき行動なのかなと感じています。
6. 税制優遇口座を使わない

資産運用を始める際、株式投資であればNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった非課税口座を利用していない人はあまり多くないでしょう。基本的に株式投資をするのであれば、今自分が活用できる非課税口座を最大限活用するというのは、もはや定石と言えるのではないでしょうか。
資産運用を続けていく中で、NISAの枠内やiDeCoの毎月の掛金では収まりきらない金額を毎月積み立てるようになった場合は、特定口座で運用していく形で問題ありません。特にNISAに関しては、枠を最大限活用することが多くの人にとってベストな選択肢だと思います。
ただ、iDeCoに関しては少し注意が必要です。今後、掛金の限度額が2万3,000円から6万円程度に増額される予定もあるようですが、最終的な出口戦略を考えなければなりません。
iDeCoは、60歳や65歳以降に退職金として受け取って退職所得控除を利用するタイミングで、他の退職金と合算して控除の対象となります。そのため、結局そのタイミングで申告が必要になり、運用期間中に節税できていると思っていても、受け取り時に課税されて結果的にそれほど得ではなかったという事態も十分にあり得ます。
そういった背景を踏まえると、iDeCoの掛金を安易に増額するというのは、慎重に判断した方がいいのではないかと感じています。
7. 投資の「出口戦略」を考えていない

インデックスファンドで築いた資産を、どのように取り崩していくのかということも、一つ考えておいた方がいいのではないでしょうか。
どんどん資産を築いていくのは良いことですし、その過程が習慣化されることは非常に大事なプロセスになります。しかし、実際に1億円の資産を築くというのは、あくまで何か達成したい目的があった結果に過ぎず、1億円を築くこと自体が目的ではないはずです。
まずは、自分がどのような生活を手に入れたいのかを考えるべきです。例えば、資産からの収入で生活したいという思いがあり、実際にそれが実現できれば、そこがゴールとなります。
ただ、インデックスファンドの場合は、基本的には分配金が支払われずに再投資されていくため、自分で取り崩しのタイミングを決めなければなりません。「いくら貯まったら取り崩していいのか」をあらかじめ考えておくことは、非常に大切です。
私自身も、もともとは取り崩しを前提としていたわけではありませんでした。しかし、運用を続ける中で一つの壁にぶつかりました。積立投資によって毎月のお金が証券口座へ流れていくだけの状態で、手元に現金が入ってこないという事態に直面したのです。
そこで、これまでに築いた資産を活かす方法はないかと考えた結果、不動産投資という選択肢にたどり着きました。資産背景をもとに金融機関から融資を受け、毎月のキャッシュフローを得る。そうすることで、資産を取り崩すことなく収入を得る仕組みが構築できるのではないかと考えたのです。
私の場合は、相続などの事情があって後付けで出した結論ではありますが、最初から「どのような形で、どういった生活をしていきたいのか」を明確に描いておくことは、資産1億円を築き、理想とする生活を手に入れるために必要不可欠なことだと思います。
8. SNSの「億り人情報」に引っ張られる

私自身もSNSで、インデックス投資や不動産投資といった資産運用について発信をしているので、あまり偉そうなことは言えないのですが、InstagramやTikTok、Lemon8などを見ていると、例えば「S&P500や全世界株式のインデックスファンドには弱点がある」「裏側に気づいていない」「時間がかかりすぎて遅い」といった、批判的な投稿をよく見かけます。
情報の受け手がそれらを鵜呑みにするわけではなくても、ふとした拍子にその情報が引っかかってしまい、流されてしまうということは、もしかしたらあるのではないでしょうか。
だからといって「SNSを見ずに本で勉強してください」と言うつもりはありません。結局、本であっても「読むべき良い本」と「読む必要のない本」のどちらも実際に存在するからです。
ですので、まずは色々な角度から様々な本を読んでみるのが良いと思います。その中で、自分自身がしっかりと理解でき、ロジックが通っているものを見極めることが大切です。投資の本と一口に言っても、多種多様なものがあります。
1. 株式投資
- 短期売買でチャートを見ながら取引する本
- 特定の銘柄を推奨する本
- 特定の月に特定の金額を買えば儲かると謳う本
- 長期投資の本
2. 不動産投資
- 都心の物件を買う手法
- 地方の物件を買う手法
- 木造やRC造など、構造別の投資法
このように、まずは幅広く勉強してみるのが良いのではないでしょうか。SNSは断片的な情報ではありますが、非常に優れたツールになります。特定の人だけの情報ではなく、色々な人を広く浅く見ることは、初期段階では必要なことだと考えています。
その上で、ある程度の知識がついたら本を読み、YouTubeなども活用して「自分にはこちらが合っているのではないか」という仮説を立てて、改めてSNSを見てみてください。そのロジックが正しければそれを選択すればいいですし、少しでも違和感があれば、また別の意見に触れてみてください。
「別の意見」との違いがどこにあるのかを深掘りしていく。そうすることで初めて、断片的な知識が一本の太い「自分の軸」となる知識に変わっていくのではないかと思います。
9. パートナーと方針が一致していない

資産を築く側面から言っても、パートナーというのは非常に大事になります。お互いの方向性が一致していないと、価値観の不一致から口論に発展することは容易に想像ができるのではないでしょうか。
例えば、夫は趣味にお金を使いたい、あるいは毎週遊びに行きたい。一方で妻はしっかりと家計を守るために貯金を頑張りたい。こうした価値観のすれ違いがあれば、どうしてもぶつかってしまいます。逆もまた然りで、夫が貯金を頑張っているのに、妻が高級なブランドバッグや服にお金を使ってしまうというケースもあるでしょう。
ある程度は許容できるかもしれませんが、根本的な価値観が一致していなければ、結婚生活を円満に送ることは難しくなります。最初は好き同士で、恋愛感情や「結婚」という言葉に舞い上がる気持ちもあるでしょう。しかし、夫婦として生活を共にする上で何より大切なのは、お互いが同じ方向を向いていることだと私は考えています。
- 価値観が似ていること
- 将来目指すべき方向が同じであること
- 協力関係を築けること
これらが揃って初めて、協力して物事を進めていくことができます。資産形成がうまく進まない夫婦というのは、失礼な言い方かもしれませんが、結婚のタイミングでパートナー選びを間違っている可能性も否定できません。
もし自分自身がパートナーとして「この人と一緒にやっていくんだ」と決めたのであれば、二人で協力して生活することを心がけ、話し合いを重ねることが重要です。お互いに歩み寄り、協力しながら資産を築いていくという姿勢こそが、何よりも大切なのではないかと感じています。
10. 知識と行動は比例しない

最後に、知識と行動は比例しないということです。
いくら本やSNS、YouTubeなどで勉強して金融知識を身につけ、資産運用の方法を理解したとしても、行動が伴っていなければ資産を築いていくことはできません。実際に資産を築けるかどうかは、「何を知っているか」よりも「どう行動するか」にかかっているのだと思います。
もちろん金融知識があるに越したことはありませんが、極論を言えば、知識が乏しくても資産を築くことは可能です。
例えば株式投資の場合、基本的には「買って売らない」ことができれば資産は増えていきます。買った後にどう育つかは自分がコントロールできる範囲ではないため、保有し続ける、あるいは「待つ」ということが重要になります。そこで必要とされるのは金融知識というよりも、むしろ「何もしない勇気」や「継続する力」といった、いわゆる非認知スキルなのではないでしょうか。
不動産投資においても同様です。勉強することは大前提として大切ですが、勉強しただけで資産が築けるわけではありません。リスクを取って金融機関から借り入れを行い、実際の現物資産を保有する必要があります。その過程では、入退去の管理や修繕、隣人トラブルといった様々なリスクも引き受けなければなりません。
こうしたリスクを引き受けるためには、勉強を通じて「このリスクを自分で背負おう」という覚悟を持つことが不可欠です。勉強不足のままではリスクが単なる不安にしか見えず、なかなか一歩を踏み出せません。リスクを正しく引き受けるための準備こそが、知識を入れるという本来の意味につながるのだと思います。
知識を得るために勉強することも大切ですが、その上で必ず「行動する」ことが何より重要です。
行動すると口で言うのは簡単ですが、実際に行うのは非常に難しいことです。世の中の99%の人が理解していても、実際に行動に移せるのはわずか1%に過ぎないということも、十分にあり得る話です。だからこそ、実際に行動した人だけが、自分の理想とする未来や結果を手にすることができるのだと、私は考えています。