1億円を最短で目指すなら、最初に考えたい「貯蓄率」の話
「1億円を目指すなら、まずは貯蓄率を決めましょう」 こうした話をよく目にしますが、私は少し違う見方をしています。
というのも、貯蓄率は収入の水準や年齢によって大きく変わる指標だからです。 収入が低い時期と高い時期で、同じ率を求めるのは現実的ではありません。

たとえば、新入社員として働き始めたばかりの頃。 月2万円、3万円を貯めるだけでも、かなり大変だったという方は多いはずです。 この段階で高い貯蓄率を目標にする必要はありません。
一方で、30代・40代になり、共働きで家計が安定してきた場合はどうでしょうか。 このフェーズで月2万円、3万円の貯金だけでは、 将来の資産形成としてはやや物足りないのが現実です。
世帯年収800万円〜1000万円程度であれば、 年間200万円〜300万円の貯金を ひとつの目安として考えておきたいところです。
ただし、この貯金額をすべて投資に回せばよい、というわけではありません。 貯金額が1000万円〜2000万円台の段階では、 世帯年収が高くても不動産賃貸業への参入はまだ早いケースが多いです。
この時期に大切なのは、 インデックス投資で資産を育てつつ、 自分自身のスキルや市場価値を高め、収入を伸ばすことです。

仮に、5年後に不動産賃貸業へ参入したいと考えるなら、 年間300万円の貯金を5年間続けることで1500万円が積み上がります。 すでに1000万円の貯金があれば、合計は2500万円です。
この水準になると、 不動産投資が現実的な選択肢として見えてくる段階に入ります。 逆に言えば、年間200万円〜300万円の貯金ができていないと、 1億円を早い段階で築くのは難しくなります。
もちろん、目標年齢が50代なのか、60代なのかによって必要な金額は変わります。 ただ、70歳や90歳で1億円を達成しても、 それほど意味を感じない方が多いのではないでしょうか。
多くの人が望んでいるのは、 10年後、20年後に選択肢のある状態を作ることだと思います。 だからこそ、早い段階で資産の土台を整えておくことが重要です。

世帯年収が1500万円に上がったとしても、 生活費が同じ割合で増えることはほとんどありません。 税金は増えますが、手取りはおおよそ1.4倍前後になることが多いです。
この増えた分をどう扱うか。 生活水準を上げるのか、資産形成に回すのか。 ここが大きな分かれ道になります。
生活コストを抑えたまま収入を伸ばせれば、 年間500万円〜600万円の貯金体制は十分に現実的です。 貯金額は、率ではなく金額で大きくなっていきます。

そして重要なのは、貯金をすべて投資に回さないことです。 全額をインデックス投資にすると、 不動産購入時の頭金として使える現金が残りません。
たとえば、年間600万円貯金できるなら、 300万円はインデックス投資、 残り300万円は手元現金として確保する。 これを5年間続ければ、1500万円の現金が用意できます。

同時に、投資資産は2000万円〜3000万円規模に育ち、 金融資産全体では5000万円前後になります。 現金と投資資産を分けて持つことが、 次の一手を可能にします。
実際、私自身も30代前半の頃は世帯年収1000万円未満でしたが、 年間400万円以上の貯金はできていました。 現在は世帯年収2000万円ほどで、 年間1000万円前後の貯金ができています。

このうち半分はインデックス投資として長期保有し、 残りは不動産購入の自己資金に回す。 このバランスを続けることで、 1億円は現実的な延長線上に見えてくると考えています。
