収入が高くても、お金の不安が消えない理由
世帯年収1,200万円を超えている。
数字だけ見れば、十分に余裕があるように思えます。
それでも、なぜか将来のお金が不安。
そんな感覚を持っている人は、実は少なくありません。

この不安は、収入の多さそのものが原因ではないと感じています。
本質は、家計の中身、特に支出のあり方にあります。
収入が増えれば、生活費も増える。
これはとても自然な流れです。
住まいは広くなり、車は良くなり、
外食や旅行の頻度も少しずつ増えていきます。
一方で、高収入の人ほど、貯蓄そのものはしやすい立場にあります。
年収300万円で100万円を貯めるのは簡単ではありませんが、
年収2,500万円で100万円を貯めるのは、割合で見れば負担は小さい。
それでも不安が消えないのは、
貯蓄額や貯蓄率だけでは安心は測れないからです。
不安を生むのは、
収入に合わせて引き上げた生活レベルです。
生活の水準を上げるほど、
その状態を維持するために、
さらに高い収入が必要になります。

そして、一度上げた生活水準は、
思っている以上に下げられません。
家計を見直そうと思っても、
「今さら家を小さくするのは…」
「車をグレードダウンするのは…」
そんな気持ちがブレーキになります。
ここで強く影響するのが、
周囲の目です。
収入が減ったと思われないか。
何かあったのでは、と見られないか。
そうした視線を無意識に気にして、
生活コストを下げられなくなっていきます。
『サイコロジー・オブ・マネー』には、
こんな示唆があります。

高級車に乗る人は、
「自分はかっこよく見られている」と思いがちです。
でも、見る側はその人を見ているのではありません。
見ているのは、
「自分がその車に乗ったら、どう見えるか」。
視点は、常に自分自身に向いています。
つまり、他人はあなたの生活を、ほとんど見ていない。
それが現実です。
それでも私たちは、
周りの目を気にして、
高い固定費を抱え続けてしまいます。
高年収でもお金が貯まらない人の多くは、
収入に対して、支出が最適化されていないだけです。
たとえば年収1,500万円。
手取りが1,000万円前後あっても、
同じ水準で使っていれば、
将来への安心は積み上がりません。

もちろん、
お金を使う人生が悪いわけではありません。
それも一つの価値観です。
ただ、資産形成を望むなら、
どこかで支出と向き合う必要があります。

高年収とは、
選択肢を持てる状態です。
使い続ける人生を選ぶのか。
それとも、
支出を整え、貯蓄と投資に回し、
お金にも働いてもらう人生を選ぶのか。

お金が貯まらない人の共通点を一言で言うなら、
「少しだけ、自分に甘い」。
それだけなのかもしれません。
