
1万ドル、日本円でおよそ150万円を株式市場に投資し、
50年間、そのまま保有し続けたとします。
市場全体の平均リターンが年率7%だった場合、
資産は約30万ドル、日本円にしておよそ4,500万円になります。
ところが、実際に投資家が受け取った平均リターンは年率5%程度です。
年率5%で50年間運用すると、
1万ドルは約11万ドル、つまり約1,600万円にしかなりません。
同じ市場、同じ期間、同じ元本にもかかわらず、
結果には約3,000万円もの差が生まれています。
しかもこの差は、信託報酬を差し引く前の段階で、
すでに生じています。
この事実が示しているのは、
多くの投資家が株価の下落や相場の乱高下に耐えられず、
途中で売却してしまっている、という現実です。
長期で保有し続けられていないのです。
さらにここから、信託報酬などのコストが引かれます。
年1%のコストは、毎年確実に、
複利の力でリターンを削っていきます。
投資家が運用リターンそのものを高めることはできません。
市場リターンとは、プロ同士が戦った結果として生まれた平均だからです。
一方で、投資家自身がコントロールできることがあります。
それは、
売らずに持ち続けること、
そしてできる限り低コストで保有することです。
市場平均のリターンは、
特別な才能がなくても受け取れる、
いわば「最高のリターン」です。
売らない。
低コストを選ぶ。
この2つを守るだけで、
50年後の結果は大きく変わります。
複利とは、
時間と行動の差を、静かに、しかし確実に広げていく力なのです。