
子ども2人でも「金融資産1億円」は現実的か?フルタイム共働き夫婦のためのインデックス投資×家計戦略
子どもが2人いて、教育費も平均的にかかる。
マイホームのことも考えたいし、自分たちの老後資金も準備しなければならない。
そんな状況で、「30歳から60歳までの30年間で金融資産1億円」という目標は、果たして現実的なのでしょうか。
本記事では、フルタイム共働き夫婦を前提に、次のポイントを整理します。
- 預貯金だけで1億円を目指すと、毎月いくら必要になるのか
- インデックス投資で年利3%・5%・7%を想定した場合、必要な毎月積立額
- 子ども2人・教育費平均レベルの家庭でも「現実的なライン」はどこか
- フルタイム共働き夫婦が意識したい家計設計・口座設計のポイント
数字だけを並べるのではなく、家計・教育費・老後資金をトータルで考えたときの戦略として整理していきます。
1.預貯金だけで1億円をつくる場合:毎月いくら必要か?
まずは、もっともシンプルなケースとして、運用を一切せずに「貯金だけ」で1億円を目指す場合を確認します。
30歳から60歳までの期間は30年間=360ヶ月です。
この間に1億円を貯めるとすると、単純計算は次の通りです。
1億円 ÷ 360ヶ月 ≒ 277,777円/月
つまり、利息ゼロの預貯金のみで1億円に到達したいなら、毎月約27.8万円を30年間積み上げる必要があります。
フルタイム共働きで世帯年収が高い場合でも、
- 子ども2人分の教育費(習い事・塾・進学)
- 住居費(賃貸 or 住宅ローン)
- 日々の生活費・保険料・通信費・車関連費用など
を考慮すると、毎月27〜28万円を「一切使わずに」貯金するのはかなり難易度が高いと言わざるを得ません。
ポイント
フルタイム共働き夫婦であっても、教育費・住宅・生活費を考慮すると、
「預貯金だけで1億円」は極めてハードルが高いというのが現実です。
2.インデックス投資で運用した場合:年利3%・5%・7%の必要積立額
次に、インデックス投資を使って長期運用するケースを考えます。
ここでは、世界株式・S&P500・全世界株インデックスなどを想定し、
- 年利3%
- 年利5%
- 年利7%
の3パターンでシミュレーションします(年利はあくまで長期平均の仮定です)。
2-1.計算の前提
- 積立期間:30年(360ヶ月)
- 目標金額:1億円
- 毎月一定額を積立(ボーナスは考慮せず)
- 運用益はすべて再投資する前提
毎月一定額を積み立てたときの将来価値(FV)は、年金終価係数を用いて計算します。その結果をもとに逆算すると、1億円をつくるために必要な毎月の積立額は次のようなおおよその数値になります。
- 年利3%: 約17.2万円/月
- 年利5%: 約12.0万円/月
- 年利7%: 約8.2万円/月
まとめ(必要な毎月積立額のイメージ)
・預貯金のみ:約27.8万円
・年利3%運用:約17.2万円
・年利5%運用:約12.0万円
・年利7%運用:約8.2万円
⇒ インデックス投資などの運用を取り入れることで、
必要な毎月積立額は「ほぼ1/3〜1/2」まで圧縮できることがわかります。
3.フルタイム共働き夫婦が現実的に狙いやすいラインとは?
ここからは、子ども2人・教育費は平均レベル・フルタイム共働き夫婦という条件で、現実的なラインを考えます。
実務的な感覚として、
といった家庭の場合、家計をていねいに整えていけば、
- 月8〜12万円をインデックス投資に回す
- +ボーナスで年間数十万円を追加投資
という形は、十分「射程圏内」に入ってきます。
3-1.月8万円×年利5%の場合
たとえば、月8万円を年利5%で30年積み立てたケースでは、1億円には届かないものの、
概ね6,000万〜7,000万円台に到達するシミュレーション結果が見えてきます(最終的な金額は実際の利回りに依存します)。
3-2.途中から積立額を増やす「ステップアップ型」
さらに現実的なのが、次のようなイメージです。
- 30歳〜45歳:月8万円をインデックス投資(年利3〜5%想定)
- 45歳〜60歳:教育費のピークが終わったら、月12万円に増額
このような「ステップアップ型」の積立を行うと、最初から月10〜12万円積み立てるよりも精神的負担が軽く、現実の家計とも調整しやすいというメリットがあります。
4.教育費と老後資金を「同じ口座」で管理しない
フルタイム共働き夫婦・子ども2人の家計では、教育費と老後資金を分けて設計するかどうかが重要なポイントになります。
ありがちなケースとして、
- すべての貯蓄・投資を1つの口座で管理している
- 教育費もマイホーム頭金も老後資金も「同じ財布」から出す
ここには大きな落とし穴があります。
教育費が膨らんだときに、本来老後のために積み上げていた資産を取り崩してしまうリスクがあるからです。
対策:目的別に口座を分ける
・教育費専用の口座(ジュニアNISA・学資用積立なども含める)
・老後資金・1億円を目指す資産形成用の口座
・生活防衛資金・生活費用の口座
というように、「使い道が違うお金」は物理的にも分けて管理することがポイントです。
こうすることで、教育費が想定より増えたとしても、
- 「子どものためのお金」から使う
- 老後資産への長期積立は出来る限り崩さない
という優先順位を維持しやすくなります。
5.積立投資で最も重要なのは「特別な才能」ではなく「継続する仕組み」
インデックス投資というと、難しい理論や専門知識が必要だと感じるかもしれません。
しかし、フルタイム共働き夫婦・子育て世帯の資産形成において、本当に重要なのは次の3点です。
- ① 自動で積み立てる仕組みをつくること
- ② 相場の上下に一喜一憂しないこと
- ③ 途中で止めないための「家計の余力」をあらかじめ確保しておくこと
特に③は見落とされがちですが、家計がカツカツの状態で積立額を設定してしまうと、ちょっとしたイベントで簡単に継続できなくなります。
その意味で、「まずは家計の見直し → 無理のない積立額を設定」という順番が重要です。
6.「うちの場合」はどう考えるべきか?
ここまで、フルタイム共働き夫婦・子ども2人・教育費平均という前提で、
「30年で1億円」を目指すための考え方や数字の目安を整理してきました。
しかし、実際には
- 世帯年収の水準
- 持ち家か賃貸か、住宅ローン残高はどの程度か
- 子どもの進路(公立中心か、私立・留学の可能性はあるか)
- すでにある金融資産の額
によって、「適切な積立額」や「目標金額」も変わってきます。
大切なのは、誰かの数字をそのまま真似することではなく、「自分の家庭の条件で何が現実的か」を具体的な数字で確認することです。
そのためには、
- 家計の収支を1年間単位で把握する
- 教育費・住宅・老後の3つの大きな支出をざっくり試算する
- それとは別に、「1億円」を含む長期資産目標を設定する
といったステップで整理していくことが有効です。
7.フルタイム共働き夫婦の資産形成をもっと深く学びたい方へ
本記事では、「子ども2人でも1億円を目指せるか?」という問いに対して、インデックス投資と家計戦略の観点から整理しました。
さらに踏み込んだ具体的なシミュレーションや、
実際の家計事例・FP相談事例・インデックス投資と不動産投資を組み合わせた資産形成モデルなどは、以下のサイト・noteにて詳しく解説しています。
▼フルタイム共働き夫婦のための資産形成サイト(公式)
共働きサラリーマン資産家夫婦の売らないお金の学校(公式サイト)
▼ストーリー形式で学べる、共働き夫婦向けマネーコラム(note)