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会社員として働きながら、長期・分散・低コストを軸としたインデックス投資と安定的な家賃収入を目的とした不動産投資の二本柱で資産形成を実践し、40代で純資産1億円を達成しました。「誰でも経済的自由を目指せる」を目標に、資産収入を増やし複数の収入源を確保することで、お金の不安から自由になり、働き方を選べる人生を歩みたい人に向けて情報発信をしています。

子育て中のFIREは現実的なのか、前提がずれている気がする

 

子育て中のFIREは現実的なのか、前提がずれている気がする

「できる」と聞くほど、なぜか引っかかる感覚

子育てをしながらFIREを目指す、あるいはすでに達成しているという話を見聞きする機会が増えました。働き方や生き方の選択肢が広がること自体は、素直に良いことだと感じています。ただ、その言葉に触れるたび、どこか心の奥で小さな違和感が残るのも事実です。その違和感は否定ではなく、確認したい感覚に近いものだと思っています。

共働きで、子どもがいて、日々の生活を回していると、自由や早期リタイアという言葉が少しだけ抽象的に聞こえる瞬間があります。理屈としては理解できるのに、実感として腹落ちしない。その理由を感情ではなく、前提の整理から考えてみたくなります。

FIREの話は、どうしても「到達できるか、できないか」という二択で語られがちです。しかし子育て世帯にとっては、その前に「どんな状態を想定しているのか」を揃えないと、議論が噛み合いにくいように感じています。

無意識に置かれている前提を一度ほどいてみる

FIREの前提としてよく使われるのが、年間支出をもとに必要資産を逆算する考え方です。いわゆる4%ルールのように、資産の一定割合を取り崩して生活する設計は、理論としてはとても分かりやすいものです。実際、多くの人がこの考え方を出発点にしています。

ただ、この前提には、あまり意識されていない条件が含まれています。それは「支出の中身が比較的安定している」ということです。独身や夫婦のみの世帯であれば、生活費の変動幅はそこまで大きくありません。

一方で、子育て世帯の場合、支出は時間とともに形を変えます。今はかかっていなくても、数年後にまとまって発生する費用がある。その代表例が教育費です。この時間差のある支出をどう扱うかが、子育て世帯のFIREを考える上での分岐点になると感じています。

不安の正体を状態として分解してみる

教育費の話になると、感情的な不安として語られることが多い印象があります。ただ、少し距離を置いて状態として分解すると、見え方が変わります。例えば、大学卒業までにかかる教育費は、進路にもよりますが数百万円から数千万円の幅があります。

仮に、すべて公立で進んだ場合でも、総額でおよそ1,000万円前後。私立が絡めば2,000万円を超えるケースも珍しくありません。金額の大小よりも重要なのは、この支出がほぼ確実に発生するという点です。

さらに、この支出は均等ではありません。大学進学のタイミングなど、特定の数年間に集中します。年間で見れば200万円前後の負担になる家庭もあります。この数字を生活費とは別に用意できるかどうかで、家計の耐久性は大きく変わります。

よく聞く反論と、その前提

ここまでの話をすると、いくつかの反論が思い浮かびます。実際、よく耳にする考え方もあります。

生活費を抑えれば、資産はそこまで必要ないのでは

確かに、生活費を抑えること自体は大切です。ただ、子育て世帯の場合、住居費や教育関連費、食費など、簡単に削れない項目が多くあります。節約だけで吸収できる範囲には限界があります。

教育費は奨学金や工夫で何とかなる

これも一理ありますが、奨学金は「かからない費用」ではなく「将来に先送りされる費用」です。親の家計が楽になる一方で、子どもの将来の選択肢に影響を与える可能性もあります。

どちらの意見も間違いではありませんが、前提としている家計の状態が違うと感じることがあります。

日常の判断にどう影響してくるのか

こうした前提のズレは、日常の判断にじわじわと影響します。例えば、投資のリスクをどこまで取るか、働き方をどう変えるか、といった選択です。資産を取り崩す前提で生活するのか、収入を維持しながら資産を育てるのかで、判断基準は大きく変わります。

共働き世帯の場合、今すでに安定した収入があるケースも多いはずです。その収入をどう位置づけるか。単なる生活費の原資と見るのか、それとも家計の耐久性を高める要素と見るのかで、FIREの見え方も変わります。

ここで重要なのは、今すぐ結論を出すことではありません。自分たちの家計が、どの前提の上に成り立っているのか言語化することが、判断の精度を高めてくれます。

問いを残したまま、少し先を考えてみる

子育て中のFIREは可能か、という問いは、単純な可否では答えが出にくいテーマです。必要なのは、目指す状態を具体的に描き、そのためにどんな前提を置くかを確認することだと感じています。

資産をどれくらい持っているかよりも、どんな支出がいつ発生し、どんな収入や余力でそれを支えるのか。その構造を整理することで、FIREという言葉に対する距離感も変わってくるはずです。

共働き世帯向けの資産形成については、こちらでも考え方を整理しています。
https://www.asset-building-28.com/